子どもの権利を考える、
いろんな視点
子どもの権利及び、保育・教育に関する研究を行なっています。
研究部会の活動には、子ども情報研究センター個人正会員になっていただく必要があります。
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公開研究会等の予定はお知らせをご覧ください。
研究部会名 | 子どものつぶやき・エピソード研究部会 |
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申請代表者と所属 |
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研究課題と目的 |
子どもはおとなから保護され育てられるだけの存在ではなく、おとなと対等で平等な存在である。保育所生活の中でも、子どもの思いをしっかり聴き、保育の主体、共同生活者として尊重する関係を築きたいと思います。毎日長時間いっしょに過ごしている子どもたちだが、果たして、本当に一人ひとりの子どもを理解しているのだろうかと振り返る。それぞれの保育所現場で忙しさに流されがちな日常から少し離れて集まり、実践を交流し、話し合う時間をつくりたいと思う。保育所で出会った子ども、保育者同士が「人権を大切にする社会、差別のない社会をつくっていくなかま」になりたい。そういう保育を実践するために、保育者自身が変わっていくことをめざす。 |
研究計画 |
月 1 回、研究部会を開く。保育現場での子どものつぶやきやエピソードを持ち寄る。一つのつぶやき・エピソードを取り上げ、子どもの思いや背景にある生活体験、保育者の願いなどを意見交換する。文献を参考にしながら、子どもを見る視点や保育者のかかわりを確認し、次の実践につなげていく。 |
代表者から | 毎日子どもは、何を感じ、思い、行動しているのか、つぶやきやエピソードを通して、子どもの心の内を理解するところから保育が始まるのではないか、そんな思いで、子どもの言葉を研究していきたいと思っています。 |
研究部会名 | 一人ひとりの未来に続く保育研究部会~みんなはじめはこどもだった~ |
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申請代表者と所属 |
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研究課題と目的 |
現在の子どもを取り巻く社会をみると、希望が生まれにくい社会になり、自他共に人権を大切にできにくくなっている。その払拭のためには、解放保育でめざしてきた0歳からの格差をなくすことや、すべての子どもに最善の利益をもたらす保育内容がより必要である。また、虐待やいじめの加害者となったおとなは、彼らが子ども期の人権を大切にされてこなかったことも明白である。そこで、乳幼児期教育から社会教育までの連携を深めそれぞれの現場の課題と向き合いながら、解放保育の視点を原点としたこれからの保育内容を、研究する。 |
研究計画 |
・県内も人権保育連絡協議会との意見交換会を開催し連携を深める。 ・乳幼児期~社会教育まで、人権保育研修会を開催する。 ・希望地域に出向き、エピソード研修を行う。 |
代表者から | 子どもの人権を真ん中に考えてくれるなかまがつながり、水の輪のようにおだやかに、優しく広がっていく子育ち応援団をめざします。 |
研究部会名 | 子どもとともにつくる保育研究部会 |
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申請代表者と所属 |
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研究課題と目的 |
法人発足以来、「差別のない、人権が尊重される、平和な社会」をめざす保育の創造が大きな願いです。法人として2つの保育所を開設して、保育の創造は一層具体的な課題となっています。2園で「保育ミーティング」を始め、日常の保育の悩みや課題を出し合い学び合う。子どもの姿や保育実践を整理し検証し積み上げ、子どもとともに(保護者、地域とともに)どんな保育が求められているの考えていきたい。 |
研究計画 | 月1回短時間でも保育ミーテイングを開催し、話し合い 学びあいながら、機関誌『はらっぱ』保育の根っこにつなげていく。年数回講師を招き視点を広げより深めていく。年1回 全職員対象 拡大研究会等を開く。 |
研究部会名 | 障害児の生活と共育を考える研究部会 |
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申請代表者と所属 |
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研究課題と目的 |
①障害者権利条約が批准されたにもかかわらず、インクルーシブ保育・教育への制度の転換が行われていない。 |
研究計画 |
①学習会の開催 テーマ「国連障害者権利委員会総括所見からインクルーシブ教育を考える」(計2回) 【1回目】国連が求めているインクルーシブ教育のあり方と、日本のインクルーシブ教育システムのギャップを対比して整理していく。 【2回目】ギャップをどう埋めていくか、具体的な提案を出し合い、まとめる。 ②保育所での実践から、障害児共生保育の交流学習会の開催(計1回) |
代表者から | どんな障害があっても、共に学ぶ権利がある。誰もが排除されず、地域で育ち学び生きていく。 インクルーシブ保育・共育はその礎だと考えます。共生とは何か、インクルーシブとは何かを語り、考えあいましょう。 |
研究部会名 | からだ育て研究部会 |
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申請代表者と所属 |
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研究課題と目的 |
①従来、身体(からだ)のことは、保育所では「健康」領域、学校(小学校・中学校・高校)では、保険体育の領域として考えられてきた。しかし、近年、保育の方に「しなやかな心と体を育てる」、教育にも「体ほぐし」という言葉が登場してきている。からだ育てのことが、他領域・他教科とどうつながっていくのかを研究する。 ②子どもの遊びと環境、わらべ唄の大切さ、からだとことばの関係、絵本を素材とした表現活動(劇あそび)、遊具、運動会、組体操、部活のことなども研究課題としたい。 |
研究計画 |
これまで、コミュニケーションとしての身体―ワロン心理学とからだ育て。子どもの遊びと歌(わらべ唄)。からだ・ことば・リズム―オノマトペの世界。食育、栽培活動(米作りの実践なども含めて)について等、研究部会の毎回のテーマとしてきた。 米作りの実践など、他府県への見学なども予定していたが、コロナ下で実現できなかった。 今年度は、実現したい。上記のことについては、絵本の表現―劇遊び―なども含めて本年度も、研究を深めていく。 現在、「中学校部活の地域移行」の問題など教育界でも様々な問題が山積している。部会研究課題とかかわって、これらのことも、研究していく。 |
代表者から | 『ふれあいあそびからの出発』(子ども情報研究センター編)出版から20年。全国各地の研究報告に「つるまき体操」の試みが根づいていて、うれしいです。 今後も「からだ育て研究部会」と通じて、交流を持続しましょう。 |
研究部会名 | 「わかちあい」の共育 研究部会 |
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申請代表者と所属 |
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研究課題と目的 |
①自立や自己責任が過剰に肯定される社会のなかで、個人の能力開発が進められ、個人が評価・序列化される状況や、個人が選択・決定・責任を過度に背負う状況が生じている。このような状況に抗うための基盤となる「わかちあい」の知を明らかにする。 ②私たちは、だれ一人として他者とのかかわりなく、「私」であることはできない。この当たり前の事実を見すえれば、「わかちあい」が重要な概念となる。しかし、なにを、どのようにしてわかちあうのか、どのようになった時にわかちあったといえるのか。保育・教育や子育て、医療・看護や福祉、雇用・社会保障や地域づくりなどの領域を横断しながら、多様な人びとと〈共に育つ〉議論を展開する。 |
研究計画 |
いま、わたしたちがわかちあわなければならない知とは何であり、それをどのようにしてわかちあうのかということを文献購読やフィールドワークをとおして探求する。具体的には、年2回程度、組合運動や同和教育にかかわって来られた方々を招聘して研究会をおこなう。 |
代表者から | 自立や自己責任が過剰に肯定される社会に抗うための基盤となる「わかちあい」の知をめぐって、保育・教育、医療・福祉、雇用・社会保障や地域づくりなどの領域を超えて、多様な人びとと〈共に育つ〉議論をしたい。 |
研究部会名 | 〈協働・自治〉の文化をつくる市民研究部会 |
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申請代表者と所属 |
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研究課題と目的 |
2021年度から2か年計画で活動してきた「大阪の子ども施策を考える市民研究部会」は、大阪の子ども施策を、子どもの生活の現場の実情に即して検証するという問題意識のもと活動してきた。その成果として、本年3月7日、『これからの学校と社会を変えていこう おとなと子どもの市民宣言』をとりまとめ、公表した。 わたしたちは、2年間の活動をとおして、子どもの権利を基盤とした学校づくり、子どもの権利を尊重する社会への変革に向けた歩みを進めるには、〈競争・管理〉の価値観によって深く傷つけられ損なわれている社会のつながりを、〈協働・自治〉の思想にもとづいて再生していくことが喫緊の課題であると認識した。 〈協働・自治〉の思想に基づく試行錯誤の営みは、保育・教育、福祉、まちづくりなどの諸領域においてかねてより存在してきたが、わたしたちはその歴史的事実を、それぞれの営みが残した成果や課題も含めて、じゅうぶんに知り、学び、継承できているとは言いがたい。数多の先人による〈協働・自治〉の試行錯誤とそれらが生み出してきた文化を批判的かつ創造的に継承する取り組みをおろそかにしてきたことが、結果として、〈競争〉の価値観に追い立てられ、資本の論理に絡めとられ〈管理〉されていくわたしたち自身の生活実態へと結びついているのではなかろうか。 「子どもの貧困」「虐待防止」「ヤングケアラー」などの課題設定に即して、地域を基盤とした子ども支援の取り組みが注目を集める昨今であるが、かつてより部落解放運動や部落解放教育、解放子ども会活動などにおいて同様の問題状況がすでに認識され、それら諸課題の解決を模索する取り組みが行われてきた。被差別マイノリティと教育・福祉の専門職およびマジョリティ市民の〈協働〉、差別・抑圧からの解放とエンパワメントをめざすコミュニティの〈自治〉がそれらの根幹にあった。しかし、部落解放運動や解放教育運動においても、〈協働・自治〉の相ではなく、学力保障(=個人の能力開発)による機会不平等の是正に軸足を移していったことで、結果として、能力主義を基調とする社会の支配的秩序への対抗文化としての可能性が見落とされ、弱体化してしまった側面があることも否めない。 教育の営みがその本質において、コミュニティにおける前世代から次世代への文化伝達の一形態であることに鑑みれば、生活と教育はもともと不可分であり、教育の契機は生活の個別具体的な局面のなかで生起するものである。裏を返せば、コミュニティの生活基盤として継承されるべき文化の廃れたところには教育の営みは原理的に成立しえない。わたしたちは日々の生活のなかで、未来を生きる子どもたちに受け継いでいくに値する文化の内実をもちえているのかどうか、改めて問われている。 上記の問題意識に基づき、わたしたちは、「大阪の子ども施策を考える市民研究部会」の成果をふまえて「〈協働・自治〉の文化をつくる市民研究部会」を設立する。本研究部会は、保育・教育、福祉、まちづくりなどの諸領域においてかねてより取り組まれてきた〈協働・自治〉の営みにあらためて光を当てて、批判的かつ創造的な継承を試み、いまを生きる子どもたち、そして未来の子どもたちに継承していきたい〈協働・自治〉の文化創造への道筋を考究するとともに、〈協働・自治〉の思想を共有する市民のネットワークの形成に寄与することを目的とする。 |
研究計画 |
設立初年度(2023年度)は、スタートアップセミナーとして、「自治の担い手としての市民の学び」をテーマとした公開研究会を開催し、これからの部会活動の方向性を確認するとともにこれから取り組むべき研究・実践課題の整理を行う。これをふまえて、主として学校と地域の〈協働〉や、教育の〈自治〉の観点から、地域教材づくり、民族学級の取り組みなどの初期に実践者として関わった経験を有する人々へのインタビューを公開研究会形式で実施し、成果と積み残してきた課題、これからの教育状況や市民自治の再生に向けた示唆を得る。公開研究会の内容は、年度末に資料としてとりまとめ、公開する。 2024年度以降の活動計画については、2023年度の活動状況をふまえて検討する。 |
代表者から | 子育て・子育ちや「子どもの権利」に関心をお持ちの方はどなたでもご参加いただけます。未来の社会をつくっていくのは一人ひとりの市民であり、市民同士のゆるやかな連帯だと思います。一緒に学び、語り合いましょう。 |
活動報告 | 【2022年度】 これからの学校と社会を変えていこう おとなと子どもの市民宣言 ー大阪府知事・市長ダブル選挙、統一地方選挙を前にー(PDF) 【2021年度】 市民研究部会2021年度活動報告書(全文・PDF) 表紙(PDF) 巻頭言 「大阪の子ども施策を考える市民研究部会」の発足に込めた思い(PDF) 目次(PDF) 2021年度の活動の概要(PDF) 「子どもも、保護者も、先生も、タイヘン!!~知ってほしい、大阪の学校現場の『いま』~」 久保敬さん(PDF) 「子どももおとなもシンドイのはなぜ?~不登校から考える~」 山下耕平さん(PDF) 市民研究部会メンバーからのメッセージ(PDF) 裏表紙(PDF) |
研究部会名 | 子どもの権利条例研究部会 *2021年度開設の「自治体子ども施策研究部会」「子どもオンブズパーソン研究部会」を2022年度に統合し「自治体子ども条例研究部会」とした。これらを踏まえ2023年度に施行のこども基本法施行を視野に入れて、「子どもの権利条例研究部会」とする。 |
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申請代表者と所属 |
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研究課題と目的 |
本分科会でいう「子どもの権利条例」は、地方自治体が国連子どもの権利条約に則り、子どもの権利の尊重を基盤として、子どもにかかわる施策を推進するための条例である。すなわち子どもの権利条例は、「子どもの厄介な問題」を個人や家族の責任等に帰して処理する従前の個人モデルを乗り越えて、何よりも<社会の仕組み>を子ども参加でより良く変えていこうとする、社会モデルアプローチをとるものである。 1998年制定の川西市子どもの人権オンブズパーソン条例、2000年制定の川崎市子どもの権利に関する条例に始まる。前者は救済制度に特化した条例であり、後者は子どもの権利の理念とともに子どもの権利保障の基本的な枠組みを定める総合条例である。これらが先行モデルとなり四半世紀近くの間、概ね40ほどの自治体で子どもの権利条約に則る子ども条例が制定されてきた。 他方、国では条約批准後15年の空白を経て2009年に子ども・若者育成支援推進法が制定された。その後、ことに2016年の児童福祉法の改正では子どもの権利条約第12条(子どもの意見の尊重)および第3条(子どもの最善の利益)が総則に明確に位置づけられ、条約に基づく子どもの権利の保障がうたわれた。子どもを単に保護の対象にとどめることなく、子どもを権利の主体として、子どもの福祉の権利を保障する原則が位置づけられた。このような経過を経て2022年、こども基本法およびこども家庭庁設置法が制定され、これによる「こども基本法制」が本年4月から実施される。 今日において子どもの権利条例は、この四半世紀にわたる文脈を通して、いいかえればこども基本法制の始動とともに、より積極的な意義と役割が期待されるものとなっている。が他方では、四半世紀を経て「制度疲労」の現状も少なからず見られる。 そこで、本研究部会の研究課題および目的は、次の諸点として捉える。 ①国のこども基本法制と、地方自治体の子どもの権利条例とが、子どもの権利条約に根差す子どもの最善の利益の実現に向けて、どのように積極的な機能や役割を担い得るのか。②そのために、既に子どもの権利条例を制定した自治体では、その条例をどのように実施・運営しているのか。また改正や新たな制定はどうあるべきなのか。③そしてそこに、子どもを含む市民社会の参加あるいは協働や連携はどう具体化されているのか。④これらを踏まえ子どもの権利条例を基本的な枠組みとする、学校教育と社会教育の新たな展開と、それを推進する地方自治が、どのようにして可能なのか |
研究計画 |
(1)原則として、毎月1回、オンライン研究部会を開催する。 (2)上記を踏まえ、対面による対話と討議の研究部会を本年度中3回程度開催する。 (3)それらに関係づけて、「子ども支援学研究会」の運営等に積極的に参画する。 (4)過去2年の蓄積を振り返りつつ、3か年の研究活動について、市民社会に発信するこのできるレポート作成に取り組む。 (5)上記の中では、過去2年の中で試みられた次のテーマを可能な限り追求する。 ①子どもの権利条例に基づく「オンブズワーク」とは何か? ②特に相談や調整を含む個別救済から制度改善にかかわる事例研究。③子どもにかかわる公的機関としての第三者性、独立性、専門性の確保に関する制度運営の事例研究。 |