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  • 2023.06.08 研究部会 #PICKUP #研究部会

    市民研究部会からみなさんへ!

「考える」市民から、「文化をつくる」市民へ。

 わたしたちは、2021年6月から「大阪の子ども施策を考える市民研究部会」を立ち上げ、10年来の大阪の子ども施策を、子どもの生活の現場の実情に即して検証するという問題意識のもと活動してきました。そして、2年間の活動を通して得た学びや気づきをもとに、本年3月7日、『これからの学校と社会を変えていこう おとなと子どもの市民宣言』をとりまとめ、公表しました。

 わたしたちは、日常生活においてもっとも身近な地域の公立学校が、すべての子どもが固有の人格を持った個人として尊ばれ、いかなる差別もなく、どの子も安心して、心身の安全を保障される環境で、分け隔てなくともに育ち合い学び合える場であってほしいと願っています。ただ、その願いは、願っているだけで実現するものではないということも学びました。

 日常生活の奥深くにまで、〈競争・管理〉の価値観はあたりまえのようにしみこんでいて、おとなは自分でも気づかないうちに、職場でも、学校でも、評価のまなざしにさらされることを「仕方がない」こととして受け入れてしまいがちです。
 社会とはそういうものなのだということに疑いをもたなければ、社会に適応して高い評価を得られるような能力を身に付けることが「生き抜く」術なのだからと、「もっとがんばれ」「もっと学力を」「コミュニケーション能力を」と、よかれと思って子どもを追い立ててしまうかもしれません。また、そのように子どもを追い立てていくかのような施策を良きものとして受け入れ、支持してしまうかもしれません。

 わたしたちは、いつの間にか、社会はわたしたち自身でつくりあげているものだということを学べなくなってしまっているのではないでしょうか。
 何か問題が起こったときに、問題にかかわる当事者どうしで意見を交わし合い、それぞれが納得し合える解決策をいっしょに見出していく対話の機会をじゅうぶんに積み重ねることなく、おとなになってしまったのではないでしょうか。

 わたしたちは、いまここから、取り戻していきたい。
 わたし自身がこの社会をつくりあげている存在であるという実感を。
 困ったときに助けを求めれば必ず応えてくれる人がいるという信頼を。
 その実感と信頼を土台に、〈競争・管理〉の価値観に飲み込まれることのない人とのつながりを編みなおし、〈協働・自治〉の文化をつくっていきたい。

 わたしたちのこれからの活動は、「子ども施策を考える」地点から、「文化をつくる」地点へと、歩みを進めます。
 いまを生きる子どもたちとともに。
 いのちがいのちとして尊ばれる社会のために。

2023年6月8日
〈協働・自治〉の文化をつくる市民研究部会



「考える」市民から、「文化をつくる」市民へ。(PDF)

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