「子どもの権利で、つながろう」教育の今を語り、明日を拓く を終えて
大阪市内小中学校の2学期が明日から始まるという前日の日曜日の開催となりました。大阪市内はもちろん、関西一円から150人もの方がご参加くださいました。
まず代表理事の森山康浩の挨拶から始まり、前川喜平さん、武田緑さんからご講演いただき、コーディネーターの濱元伸彦さんから、大阪の人権教育の歴史から現状と課題のポイントを示していただいた後、前川さんと武田さんの対談、そして会場の皆さんとの質疑が行われました。
本集会の内容は、季刊『はらっぱ』2019年12月号の特集で取り上げます。
*会場からの発言について
質疑の際、「(この場に)障害をもった人が参加し、話を聞けなくする行為があった。だから障害者は社会から排除されるのだ」という発言がありました。会場内が凍り付くようでした。発言がエスカレートすることが懸念された時、その方を知っておられる方が「私が話を聴きます。外に出ましょう」と声をかけ、二人で会場の外に出られました。会場では何もなかったかのように、この発言に触れることなく、最後の質疑応答そして閉会の挨拶を経て会を終えてしまいました。
その方の発言は、社会に流れている空気、差別意識そのものでした。この集会は排除のない社会を求めていくことこそが教育の原点であることを確認した場であったにもかかわらず、主催者は排除する発言に何も触れずに会を終えてしまいました。どんな言葉を発することができたのか、あれからずっと考えています。差別にはノーと言いたい。その方の発言を押しとどめるのではなく、その方や参加されているみなさんと話し合いたい。150人の方々がいる中、終了時間が迫っている中、どのように進行していくことができたのか。会の終了後、その方と話したい、思いを伝えたいと思われたみなさんが残って話をされてました。会の中でなぜそれができなかったのか悔やまれてなりません。
*会場の環境について
子ども情報研究センターの集会は障害のある方や子どもが参加し、にぎやかです。全ての人がその人らしく参加できる場、他の方の権利を侵害することなく参加できる場を参加されるみなさんとともにつくってきました。同じ空間で、歩ける場、あそべる場、休憩できる場を確保していました。今回はその準備ができていませんでした。マイクの音量も小さく、後方のみなさんには聞き取りにくい環境でした。会場に子どもの参加もありましたが、彼らの話をきくこともかないませんでした。
ご参加くださったみなさま、主催者としてここにお詫びいたします。社会にある差別に目をそむけることなく、議論する場をもつのが子ども情報研究センターの使命であると考えます。これからもともに歩んでいただけると幸いです。
(理事:山崎秀子、山下裕子)