2020年7月~9月(はらっぱ編集部)
8/17 コロナでGDP戦後最大の減少
内閣府が発表した国内総生産の第1次速報は、実質で前年比7.8%減。年率換算で27.8%減だった。
9/3 日本の子の「幸福度」最低水準
ユニセフ(国連児童基金)は、「精神的な幸福度」「身体的健康」「学力・社会的スキル」の3分野でOECD(経済協力開発機構)などの統計を用いて国際比較調査結果を発表した。精神的な幸福度は、生活満足度と自殺率で指標化したが、日本は38か国中37位と最低水準だった。15〜19歳の10万人あたりの自殺率はギリシャ1.4人、日本はその5倍の7.5人だった。(9/4日経)
9/7 コロナで母子家庭の困窮が明確に
NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」が7月に実施したインターネット調査によると、母子家庭の70.8%が新型コロナで雇用や収入に影響と回答。18%が1日の食事回数を減らし、14%が1回の食事量を減らしたと回答している。(9/7日経)
同法人は、ひとり親家庭への支援策の拡充を求めている。
9/7 面前DV通告件数が急増
子どもの前で、親が配偶者に暴力を振るう「面前DV」への対応が、児童相談所の業務を圧迫している。面前DVは子どもにとって心理的虐待にあたり、把握した場合は児相に通告する必要がある。最近5、6年でこの通告が急増し、児相の機能を圧迫している。(9/7朝日)
9/8 日本の教育 公的支出最低水準
OECD(経済協力開発機構)は、2017年度の加盟国の国内総生産(GDP)に占める小学校から大学に相当する教育機関向けの公的支出の割合を公表した。加盟国の平均は4.1%、日本は2.9%で比較可能な38か国中37位と最低水準だった。(9/9日経)
9/19 コロナ オンライン教育の機会、世帯年収で子に格差
内閣府が緊急事態宣言解除直後に全国の15歳以上の約1万人を対象に生活意識の変化を調査。それを研究者が分析したところ、世帯年収が低い家庭の子どもは、高い家庭の子どもに比べ、学校でも学校外でもオンライン教育を受ける機会が大幅に少なかったことがわかった。中学生の場合、学校からオンライン教育を受けていたのは、年間収入が600万円以上の世帯が約4割に対して、600万円未満の世帯は約2割だった。塾や習い事でオンライン教育を受けていたのも、それぞれ約36%と約20%。分析した研究者は、教育行政はデジタル環境の整備にとどまらず、不利な子どもの学習機会を保障する対策を実施すべきとしている。(9/19朝日)
9/23 コロナ 解雇・雇い止め6万人超
厚労省によると、新型コロナの感染拡大に関連した解雇や雇い止めの人数が、初めて6万人を超えた。厚労省が把握できていない事例もあるため、実数はもっと多いとみられる。業種別では、製造業、宿泊業、小売業、飲食業がそれぞれ7千人を上回っている。
8/6、8/9 原爆投下から75年
広島、長崎では、原爆投下から75年目を迎えた。広島市長は平和宣言で、2017年に国連で採択された核兵器禁止条約の締約国になることを求めた。
8/10商船三井貨物船挫傷で重油1000トン超流出
モーリシャス沖で座礁した貨物船から流出した重油による環境への影響が懸念されており、モーリシャス政府は「環境緊急事態」を宣言した。
7/1 ハンセン病元患者の家族補償
ハンセン病元患者の差別被害に対する国の責任を認めた熊本地裁判決から1年。議員立法で成立した補償法は元患者の親や子、配偶者に180万円、きょうだいらに130万円を支給することとしているが、補償金の申請は2割にとどまっている。差別や偏見を恐れて二の足を踏んでいるとみられる。
7/22 GoToトラベル強行
国土交通省は、新型コロナウイルス感染者が急増している東京都発着を除外して、観光支援策をスタートさせた。
8/31 アウティングを禁止する条例制定へ
三重県は、性的指向や性自認を本人の同意なく第三者に暴露する「アウティング」を防ぐために都道府県では初めて禁止を明記した条例案を2021年2月に県議会に提出するため検討会を開催した。6月に施行したハラスメント防止法指針では、性的指向をアウティングする行為がパワハラに当たるとした。(8/31日経)
9/25「子ども基本法」制定を目指し提言発表(日本財団)
同財団は、奥山真紀子・日本子ども虐待防止学会理事長を座長に有識者による研究会を開催してきたが、「子ども基本法」の制定などを内容とする提言を発表した。
9/29 教員のわいせつ行為、保護者らが「教育免許再交付」させないことを要望
文科省によると2018年度に公立小中高校などで懲戒免職された教員は231人、そのうちわいせつ行為などが理由なのは約7割。被害者は、自校の児童生徒が124人と半数を占めた。「全国学校ハラスメント被害者連絡会」は28日、子どもにわいせつ行為をして懲戒処分となった教員に免許を再交付しないように求める署名を文科省に提出した。(9/29朝日)
9/18 兵庫県サッカー協会差別的発言に処分なし
3月上旬、兵庫県サッカー協会の事務局長(その後辞任)が、兵庫県朝鮮サッカー協会の幹部に差別的な発言をした。さらに総会で事実確認をしたのに、会長は「私的な問題」とし、協会として処分を科さなかった。サッカー界は差別の根絶を掲げ、日本サッカー協会は「人権尊重と差別の禁止」を遵守事項としている。(9/18朝日)
9/29 橋本・男女共同参画相、杉田発言を批判
9月25日自民党の会議で杉田衆議院議員が女性への性暴力被害支援事業に絡んで「女性はいくらでも嘘をつける」と発言。橋本大臣は、「自民党として適切な措置をすべき」と発言した。
6/30 強制不妊手術に賠償認めず
東京地裁は、旧優生保護法(1948−96年)下で不妊手術を強制されたとして東京都の男性が損害賠償を求めた訴訟に対して、「憲法で保護された自由を侵害する」と指摘しつつも、20年で請求権が消滅する「除斥期間」を理由に請求を退けた。原告側は控訴する方針。全国で8地裁に24人が裁判を起こしている。
7/2 職場でヘイトスピーチ文書 賠償命令
不動産大手「フジ住宅」は2013年2月から15年9月、従業員に対して中国人や韓国人を「嘘つき」「野生動物」などと侮辱する記事などの文書を職場で配布した。原告は在日韓国人3世の女性。大阪地裁堺支部は判決で、中傷文書を継続して配布するのは会社側から差別的取り扱いを受けるのではないかという危惧を女性に抱かせ、内心の静謐を害すると指摘。女性の人格的利益を侵害する恐れを発生させており違法とした。
7/7 森友文書改ざん自殺職員の妻が国提訴 公務災害に関する文書開示求めて
森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、自殺した近畿財務局職員の公務災害に関する文書を開示請求したのに、開示決定期限を1年延ばしたのは違法として、職員の妻が速やかな開示を求め大阪地裁に提訴した。
7/29「黒い雨」区域外も被爆者と認定
被爆75年となる今年、国が定めた援護区域外で原爆による「黒い雨」を浴び健康被害を受けた原告らが被爆者手帳の交付申請を却下したのは違法として、訴えた裁判。広島地裁は、原告84人全員を被爆者として認定し手帳の交付を命じた。(8月12日、被告の広島市、県、国が控訴し裁判が継続することになった。)
7/31「障害の記載強要され自殺」遺族が提訴
2019年11月、男性は、知的障害や精神障害があり自治会の役員ができないと役員に伝えたところ、便箋に「しょうがいがあります」などと書かされた上、他の住人に見せると言われたことを苦にして自殺。男性の両親が大阪地裁に、当時の役員2人を相手に損害賠償請求訴訟を起こした。
8/18 サケ漁はアイヌ民族の先住権
17日、アイヌ民族団体が札幌地裁にアイヌ民族が地元の川で鮭を捕獲するのは先住民族の権利だとして国と道に漁業権を認めるよう訴訟を起こした。(8/18朝日)
9/1化粧理由に乗務拒否は不当
戸籍上は男性だが性自認は女性で性同一性障害の診断を受けたタクシー運転手が、化粧を理由に会社が乗務拒否したのは不当として賃金支払いを求めた仮処分の訴えに大阪地裁は、会社に支払いを命じた。