情報BOX~子ども・若者をめぐる動き【国際編】提供:平野裕二 2021年12月1日~2月28日

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  • 2022.03.22 情報BOX【国際編】 #事務局 #はらっぱ #PICKUP

    情報BOX~子ども・若者をめぐる動き【国際編】提供:平野裕二 2021年12月1日~2月28日

国連・地域機関・国際NGOなど

12/6 ユニセフなどの国際機関、新型コロナ禍による「教育の貧困」への対応を呼びかけ。

ユニセフ・世界銀行・ユネスコによる報告書『世界的な教育危機』で、新型コロナ禍による学校閉鎖の影響が想像以上に深刻であることを報告し、対応の強化を求めた。

12/7-8 「東京栄養サミット2021」が開催される。

国内外から多数の関係者が対面・オンラインで参加し、東京栄養宣言(グローバルな成長のための栄養に関する東京コンパクト)をとりまとめた。

12/18 国連人権専門家、国際移住者デーにあたって入管収容の最終的全廃を要請。

国連・移住労働者権利委員会の委員長と移住者の人権に関する国連特別報告者による共同声明。子どもの入管収容の即時停止と、その他の移住者を対象とする収容の段階的削減および最終的な廃止を各国に促すもの。

12/20 国連・子どもの権利委員会、一般的意見26号(子どもの権利と環境)作成に向けたオンラインアンケートを開始。

子ども・若者(18歳未満)を対象とするアンケートは2022年3月から開始予定。一般的意見の採択は2023年になる見込み。

2022/1/20 国連総会、ホロコーストの否認・歪曲非難決議を採択。

総会としてホロコースト(ナチス・ドイツによるユダヤ人等の大虐殺)の否認や歪曲を拒絶・非難するともに、国連加盟国に対しても同様の対応をとるよう促すもの。ソーシャルメディア企業に対しても、このような言説や反ユダヤ主義と闘うことを求めた。

1/31 国連・子どもの権利委員会の第89会期が始まる。

1月17日~2月4日の3週間を予定していたが、新型コロナ感染拡大の影響で2週間(~2月11日)に短縮され、報告書審査の対象国も9か国から2か国に減らされた。

2/9 国連・子どもの権利委員会、「発展の権利条約草案」への意見を公表。

国連で議論が進められている同条約の草案に子どもへの明示的言及がないことなどを指摘し、子ども(の権利)に十分な注意を向ける必要があることなどを強調。

2/11 国連・子どもの権利委員会の第89会期が終了。

審査した2か国についての総括所見を採択したほか、個人通報制度に基づく申立て13件について決定を行った。フランス(3件)、ベルギー(2件)、スイス(1件)の計6件について条約違反を認定。いずれも出入国管理に関わる事案。

2/15 国連人権専門家、汚染・有害物質管理のさらなる強化の必要性を指摘。

環境と人権に関する特別報告者のデビッド・ボイド氏は、この日公開された国連人権理事会への報告書で、環境汚染は新型コロナ禍以上に多くの人を死に追いやっていると指摘し、対応の強化を求めた。とくに子どもを環境汚染から守る必要性も強調。

2/23 欧州評議会、「第4次子どもの権利戦略」を採択。

対象期間は2022~2027年で、「子どもの権利の実践:継続的実施から共同的革新へ」という副題がつけられている。策定過程には10か国から220人の子どもも参加。4月上旬にローマで開催される会議で正式に発表される予定。

2/24 ロシアがウクライナを侵略。さまざまな国際的・地域的人権機構から抗議の声。

「子どもと武力紛争」および「子どもに対する暴力」に関する国連事務総長特別代表が共同声明(2月25日付)を発表して民間人、とくに子どもを戦争の影響から守るための対応をすべての当事者に対して求めたほか、2月28日には、国連・子どもの権利委員会の大谷美紀子委員長を含む70人近くの国連人権専門家が侵略の即時停止と人権保護を求める声明を発表。同日、ENOC(子どもオンブズパーソン欧州ネットワーク)も抗議声明を発表し、英国の4つの子どもコミッショナーは子どもたちの権利を守るための対応をボリス・ジョンソン首相に要請した。

各国動向

12/9 国連人権専門家、監護権・面会交流などをめぐる裁判での子どもの保護の強化をスペインに要請。

女性に対する暴力に関する特別報告者などによる要請。非監護親が暴力的・虐待的である場合にも裁判所が面会交流を命じ続けていることなどを問題視し、これらの事案における「ジェンダーに配慮した、子ども中心のアプローチ」の適用を求めた。

12/16 イングランド(英国)の子どもコミッショナー、オンラインのセクシュアルハラスメントについて子どもと話すための親向けガイドを発表。

16~21歳の若者たち(LGBTQ+の若者を含む)の声を踏まえ、若者から親世代へのアドバイスとしてまとめられたもの。早くから繰り返し対話することの重要性が強調されている。

12/31 韓国、国会議員・地方議員の被選挙権年齢を25歳から18歳に引き下げ。

公布後直ちに施行され、3月の大統領選と同時に行なわれる国会議員補欠・再選挙から適用される。1月11日には政党に加入できる年齢も16歳に引き下げられたが、18歳未満の者による選挙運動は引き続き禁じられており、韓国国家人権委員会は改善を促している。

2022/1/5 ニュージーランドの子ども団体、子どもコミッショナーの改組法案に修正を要請。

法案は、子どもコミッショナー事務所を廃止して新たな独立機関「子ども・若者委員会」を設置しようとするもの。これに対し、セーブ・ザ・チルドレン・ニュージーランドなどの団体が子どもコミッショナーの名称・役割を維持することなどを求めて署名を開始。

1/6 フィリピン、児童婚禁止法を施行。

18歳未満の子どもとの結婚や同棲を犯罪化し、違反者には12年以下の禁錮刑が科すことなどを内容とするもの。

1/19 米国の人権団体連合、学校環境改善のための法整備を連邦議会に要請。

「公民権・人権指導者会議」が、「安全、健康的かつ包摂的な学校環境」を増進させる5つの法案の共同提案者になるよう、米国連邦議会議員に対して求めるもの。法案は、学校における体罰・差別の禁止、学校における警察官の雇用・配置の抑制などを目的としている。

1/26 イングランド(英国)の子どもコミッショナー、子どもの社会的養護改革についての報告書を発表。

養護を受けている約6000人の子どもを含む多数の子どもたちの声を踏まえ、「改革の中心に子どもたちの声を」と呼びかける内容。「すべての子どもが耳を傾けられ、対応されるようにする」など4つの目標を掲げ、その実現のための具体策を提言している。

2/1 韓国政府、在留資格のない子どもに対する在留資格付与要件を緩和。

在留資格がないまま学校に通っている外国籍の子どもの学習権を保障する目的で、長期在留資格を付与するための滞在期間要件を緩和し、正規の在留資格を得て学校に通えるようにした。韓国国家人権委員会の勧告も踏まえた対応。

2/7 北マケドニア大統領、いじめを受けたダウン症の女の子(11歳)の登校に付添い。

ペンダロフスキ大統領は、「子どもたちは当然の権利を享受するだけでなく、教室や校庭で平等や歓迎を実感する必要がある」などと述べ、インクルージョンの必要性を強調。

2/9 韓国国家人権委員会、精神医療施設における子どもの人権侵害について是正を勧告。

青少年向け精神医療施設および併設の代案学校(オルタナティブスクール)で過度な行動制限や学習権の侵害が行なわれているとして、関係者に是正を促したもの。人権委によれば、青少年向け精神医療機関におけるこれほど深刻な人権侵害は「非常に異例」。

2/15 ウェールズ政府(英国)、ケアリーバー向け所得保障事業の試行を発表。

社会的養護を受けていた若者に対し、18歳に達した日の翌月から月額1,600ポンド(約25万円)を2年間給付するもの。とりあえず3年間試行し、支援のあり方を検討する。

2/25 韓国の若者団体、大統領候補に要求する若者政策についてのアンケート結果を発表。

「キャンドル青少年人権法制定連帯」が実施したアンケートに864人(うち18歳以下702人)が回答。若者たちが要求する政策の上位3位は(1)大学入試競争の廃止と大学の無償化・平準化、(2)差別禁止法の制定、(3)生徒人権法の制定だった。

(平野裕二/ARCAction for the Rights of Children=代表)

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