情報BOX~子ども・若者をめぐる動き【国際編】提供:平野裕二2022年12月1日~2023年2月28日

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  • 2023.03.20 情報BOX【国際編】 #はらっぱ #PICKUP

    情報BOX~子ども・若者をめぐる動き【国際編】提供:平野裕二2022年12月1日~2023年2月28日

国連・地域機関・国際NGOなど

12/2 国連調査委員会、ウクライナで依然として続く子どもの権利侵害に憂慮を表明。

国連人権委員会に任命された独立国際調査委員会が、ロシアの侵略戦争はウクライナの子どもたちに複合的影響を及ぼしており、教育へのアクセスも相当に妨げられていると指摘。

12/3 国連人権専門家、武力紛争における障害児の保護・支援の必要性を強調。

12月3日の国際障害者デーにあたり、国連・障害者権利委員会委員長など3人の国連人権専門家が共同声明を発表。特定の国への言及はないが、ロシア-ウクライナ戦争も念頭に置いたものと考えられる。

12/8 ユニセフ事務局長と国連・子どもの権利委員会委員長が共同声明を発表。

12月10日の世界人権デーを前に、子どもの権利条約とその3つの選択議定書が「すべての子どものエンパワーメント、発達および保護のための最低基準」であることを強調した。

12/15 国連の人権専門家ら、パレスチナでの子どもの死傷事件について憂慮を表明。

パレスチナの人権状況に関する特別報告者など3人の国連人権専門家が共同声明を発表し、パレスチナ被占領地域(特に西岸地区)でのイスラエル部隊による暴力が2022年には記録的水準に達し、多数の子どもが犠牲になったことに懸念を示した。

12/16 国連・子どもの権利委員会、抗議に参加する子どもの権利保護をペルーに要求。

ペルーで前大統領の罷免・逮捕への抗議が全土に広がり、デモに参加した子どもの死傷事件も発生していることについて、国連・子どもの権利委員会が声明を発表し、デモに参加する子どもの権利を尊重・確保することなどをペルー政府に求めた。

2023/1/16 国連・子どもの権利委員会の第92会期(~2/3)がジュネーブで始まる。

今回の審査対象はスウェーデン、モーリシャス、オマーン、ボリビア、アゼルバイジャン、アイルランド、ニュージーランドの7か国。

1/18 米州人権裁判所、「産科暴力」をめぐってアルゼンチン政府の責任を認定。

「産科暴力」=「妊娠・出産・産後の期間にサービスにアクセスする妊婦のための保健ケアを担当する者が行なう、ジェンダーに基づく暴力のひとつの形態」による妊婦の死亡は米州人権条約違反であるとして、政府に損害賠償の支払いや再発防止措置を命じた。

1/25 国連人権専門家、韓国「児童生徒人権条例」廃止の動きに懸念を表明。

韓国・ソウル市などで制定されている児童生徒人権条例について、「同性愛を助長するおそれがある」などとして保守勢力が廃止の動きを強めていることに対し、4人の国連人権専門家が韓国政府に共同書簡を送付。あわせて、教科書や教育政策から「セクシュアルマイノリティ」などの用語を削除する方針が打ち出されたことについても政府の姿勢を質した。

1/31 国連人権理事会で日本の第4UPR(普遍的定期審査)が実施される。

UPRは、国連の全加盟国を対象として約4年半ごとに行われるもの。日本に対しては、独立した国内人権機関の設置、さまざまな差別の禁止・解消のための取り組みの強化、インクルーシブ教育の推進など計300項目近くの勧告が出された。

2/3 国連・子どもの権利委員会の第92会期が終了。

審査対象の7か国に関する総括所見を採択したほか、個人通報制度に基づいて提出された通報の審査で、フランスの条約違反を認定(保護者のいない子どもの移住者の年齢鑑別および社会サービスへのアクセス拒否に関わる事案)。

2/6 国連人権専門家、中国政府によるチベット人の子どもの「強制同化」を懸念。

チベット人の子ども約100万人が寄宿学校に入れられて同化を強いられているとして、マイノリティ問題に関する特別報告者など3人の専門家が警鐘を鳴らした。

2/8 世界の学校健康・栄養プログラムに関する報告書が発表される。

ユネスコ・ユニセフ・WFP(国連世界食糧計画)がとりまとめたもの。世界のほとんどの国で何らかの学校健康・栄養プログラム(給食を含む)が実施されているものの、依然として取り残されている子どもが少なくないことを指摘し、いっそうの投資・行動を促した。

2/20 国連、「子どもの権利の主流化に関するガイダンスノート」草案を公開。

子どもの権利を国連の活動全体の不可欠な一部と位置づけるため、「子どもの権利は人権である」など8項目の指導原則を提示。2023年中には正式に採択される見込み。

各国動向

12/6 韓国国家人権委員会、生徒の休憩権や自己決定権の侵害をやめるよう学校に勧告。

2つの高校に対しては、昼食時間に教室で3年生の生徒に個別自習をさせる行為について、休憩権の侵害であるとして廃止を勧告。ある中学校に対しては、学校滞在中の携帯電話の預かり、登下校時の制服着用などを定めた校則の改正を促した。

12/13 韓国政府、第4次中長期保育基本計画を発表。

「親給付金」(0歳児約7万円・1歳児約3万6,000円=月額)の増額、サービスの多様化、保育職員の専門性強化などを内容とするもの。

12/20 アフガニスタンでタリバン暫定政権が女性の大学教育を禁止。

2021年8月にタリバンが実権を掌握して以来、中学・高校段階の女子教育はすでに停止されていたため、女子が教育を受けられるのは実質的に小学校のみとなった。

12/22 ウェールズ(英国)の高等法院、性教育に関する親の異議申し立てを棄却。

3歳以上の子どもを対象として性教育を必須化した新カリキュラムについて、複数の親が「道徳的・哲学的理由」から反対を訴えていたものの、高等法院は親の主張を退けた。

2023/1/1 フランス、26歳未満の若者を対象としてコンドームの無料提供を開始。

性感染症対策を主たる目的とする措置。あわせて緊急避妊薬(アフターピル)もすべての女性が処方箋なし・無料で入手できるようになった。

1/13 韓国の政府機関、オンラインコンテンツに出演する子どもの人権保護のためのチェックリストを発表。

保健福祉部(省)の子どもの権利保障院がクリエイター向けに作成したもので、11のセルフチェック項目に解説と資料が添えられている。

1/18 マレーシア人権委員会、スポーツコーチ等を対象とする人権・子どもの権利講習の必修化を勧告。

バレーボールのコーチが2人の選手(10代)に対する暴力行為を理由にバレーボール協会(MAVA)からライセンスを取り消されたことを受けて出されたもの。

1/20 韓国のNGOが「発達障害児参加ガイドライン」を発表。

セーブ・ザ・チルドレン・コリアが作成したもので、発達障害のある子どもの意見表明・参加を支援するための注意点や工夫がまとめられている。

1/31 イングランド(英国)の子どもコミッショナー、暴力的ポルノへの若者の接触状況を懸念。

1000人強の子ども・若者(16~21歳)を対象とした調査の報告書で、多くの子ども・若者が暴力的ポルノにさらされていることに警鐘を鳴らし、法律による規制強化や教育の必要性を訴えた。

2/6 トルコ・シリア国境付近で巨大地震が発生。

両国あわせて5万人以上が死亡し、トルコでは人口の16%(約1400万人)が住居を失うなど、甚大な被害が出た(3月6日現在)。支援を必要とする子どもは数百万人にのぼると見られる。

2/10 韓国国家人権委員会、障害者向けの居住施設に入所している障害児の処遇改善を勧告。

児童福祉施設ではなく。障害者福祉法に基づいて設置されている障害者居住施設で生活している2000人弱の障害児が適切な処遇を受けられていないとして、発達支援体制の構築、自立生活に向けた準備の支援、後見人指定の改善などを保健福祉部に求めた。

2/16 英国の情報コミッショナー事務所が子どもの保護に関するゲーム開発者向けのガイダンスを発表。

2020年に施行された「チルドレンズ・コード」(年齢にふさわしいデザイン:オンラインサービスのための実務規範)を遵守しながらゲーム開発を進めるための指針を示したもの。

(平野裕二/ARCAction for the Rights of Children=代表)

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