はらっぱ2019年6月号 特集:『乳児期にこそ「人」としての誇りを』
◆赤ちゃんは私たちとともに生きる/浜田寿美男
◆「保育所保育指針」の乳児観を問う/堀井二実
◆生まれたときから彼女は彼女/西本 賢・西本麻衣
◆子どもから見れば「講座付き保育」/合田由紀子
◆まわりの世界と関わり、育つ0歳児/橋本かおり
今年は「子どもの権利条約」が国連で採択されて30年、日本が批准して25年の節目の年です。子どもには「保護される権利」「付与される権利」と同時に「意見表明・参加の権利」があり、子どもは権利行使の主体なのだと子ども観の転換が提起されました。けれども日本の社会には新たな子ども観がなかなか根づかず、子どもは、おとなから教えられ、しつけられ、世話される存在であることが強調されがちです。とりわけ、全面的な保護や世話が必要な赤ちゃん期については「意見表明・参加の権利」の議論が進まないのが現状です。赤ちゃんはかわいい! エンゼル! 癒し! 宝! などと言われ、赤ちゃんには愛情深く接することが大切ですと説かれます。けれどもそれで赤ちゃんの存在が大切にされ、その尊厳が尊重されたことになるのでしょうか。保護や世話は十分に保障されなければなりませんが、同時に権利行使の主体として生きる赤ちゃんについても考えたいと思います。浜田寿美男さんは発達観の観点から「這えば立て、立てば歩めの親心」の問い直しを、堀井二実さんは保育所保育指針の乳児観への疑問を、それぞれ寄稿くださいました。そして、西本賢さん、西本麻衣さんは1歳児との生活から「娘は1人の人としか言いようがない」と。さらに、合田由紀子さんは一時保育の取り組みから赤ちゃんは親の付属物ではないことを、橋本かおりさんは0歳児保育の現場から周囲世界に興味津々な子どもの姿を報告してくださいました。(田中文子)
人権擁護者としての子ども/はらっぱ編集部
連載第1回基本的生活習慣の自立とは/チームはらっぱ
自分を生きる学校/辻 佳秀
教育機会確保法をめぐる議論/岡村優努
カンボジア・ポイペトから/古川沙樹
連載第1回どうなる?これからの学校のかたち/武田 緑
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