『はらっぱ』2024年3月号 特集:青木悦さんと「人権」~『黙婆(もくば)』刊行に寄せて~

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  • 2024.03.19 はらっぱ #はらっぱ #PICKUP

    『はらっぱ』2024年3月号 特集:青木悦さんと「人権」~『黙婆(もくば)』刊行に寄せて~

『はらっぱ』2024年3月号ができました!

「黙婆」に込められた思いを聴く/国松祐子
青木悦さんがつたえつづけて来たこと/近藤亜矢子
◆青木悦さんとわたし
『黙婆』を読んで~伝え方に悩む人たちへ~/岩﨑智子
私の宝物は人財産/山本瑛子
つたえて、つなげて/片桐弥生
悦さん、新しいスタートラインに立ちましたね/一條三子


 

  

青木悦さんの初めての小説『黙婆(もくば)』が刊行されました。
 青木悦さんは、1946年高知県四万十市生まれ。新聞記者を経てフリー教育ジャーナリスト。2012年より、おつれあいの坂本鉄平さんの故郷、福島に在住。
 子どもや教育、子育ての現状を取材して問題提起される青木悦さんのことばは、子ども情報研究センターの歩みとも重なり、執筆や講演を何度もお願いしました。もがきながら懸命に生きる人へのやさしい眼差し、そしてそれを踏みにじる現実への強い怒りを感じ、子ども情報研究センターが大事にしたいと願う「人権」について学び、考える時間でした。
そんな青木悦さんの「小説」。なぜ小説なのか? なぜ「黙婆」なのか? 私たちは何を受け取るのでしょうか。  (田中文子)

 ――それは雪の上に置かれた、サザンカの花びらのかたまりのようだった。――
2011年の東日本大震災から2年、春まだ浅い福島市郊外のある家の前に、サザンカの花びらのような赤い毛布にくるまれて、あかちゃんが置かれていた。家の住人は「ばあちゃん」ことセイ、東京から移住して来た息子夫婦の秀志と民子。秀志夫婦の息子、太一は
別棟に住む。太一は高校生の頃から「引きこもり」で、自分のこれからを模索しているのだった。
 セイが管理するアパートには、震災の日に忽然と現れた女性、「あかり」が住む。
あかりは何者なのか。なぜ赤ん坊はそこに置かれたのか?
物心ついた時から実の両親を知らず、施設で育った民子には、あかちゃんの行く末が他人事とは思えない。
秀志や民子、太一らがあかちゃんの身元を探すうち、様々な人々との出会いが生まれ、意外な人と人とのつながりが見えて来て…。



保育の根っこ(34p)

連載第20回 世界が平和に(後編)/チームはらっぱ

子どもの現場から(38p)

若者が参加する運動を目指して/阿利斎生

政策を読む(42p)

大学の危機、民主主義の危機―国立大学法人法改正問題―/光本 滋

世界の子ども事情(46p)

連載第4回 ミャンマー避難民の子どもにも学ぶ機会を/ナンミャケーカイン

教育は、今(50p)

いろいろな性別 part2/吉岡有可

日常のメディアを読み解く(56p)

連載第19回「 能登震災1か月」の報道から/西村寿子

政治の原則は“こどもをまもる”(60p)

連載第15回「 選択」からの自由/安冨 歩

書評(68p)

情報BOX~子ども・若者をめぐる動き(70p)

編集室(72p)

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