『はらっぱ』2023年9月号 特集:入管法改悪、これからを考える

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  • 2023.09.19 はらっぱ #はらっぱ #PICKUP

    『はらっぱ』2023年9月号 特集:入管法改悪、これからを考える

『はらっぱ』2023年9月号ができました!

◆インタビュー 入管法の問題点とさらなる改悪~これからの議論に向けて~/指宿昭一

◆在留資格のない子にずっと出会ってきた/高橋 徹
◆「難民」についていろいろ考えた/木下理仁
◆入管問題は人権保障のバロメーター/藤田早苗


 

 

 2023年6月9日、改正「入管法(出入国管理及び難民認定法)」が、国会内外の強い反対意見がある中、成立しました。2021年3月6日、名古屋出入国在留管理局収容中に亡くなったスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんの真相究明を求める遺族に連帯する市民運動により明るみに出た入管施設の人権蹂躙の実態。強制送還されてしまう恐れに関して、不服審査を請求できる仕組みとしてつくられた外部有識者による「難民審査参与員制度」にもかかわらず、そのあまりにずさんな運用などが国会審議中に次々明らかになったにもかかわらずの強行採決でした。多くの市民も改悪反対の声をあげましたが、「不法滞在」なのだから管理、処罰の対象となるのはやむを得ないし、自分とは縁遠い問題だと考える市民も少なくないのではないでしょうか。
 入管制度の現状と課題について4人の方からの問いかけです。外国人労働者の労働事件に取り組んでこられた指宿昭一さんは、入管制度の土台には、歴史的な外国人嫌悪の思想が反省なく引き継がれていること、外国人を使い捨て労働力としてしか見ない政策があることを指摘。高橋徹さんは、在留資格のない子ども・若者と出会ってこられた立場から、子どもを個人として尊重せず、学ぶ権利、生きる権利を奪う日本の現状を。木下理仁さんは、「難民」についての「?」を考えて、国が国民を迫害する・守らないことがあるということを知るべきだと。イギリス在住の藤田早苗さんは、国際人権機関からの勧告を無視し、国際基準からことごとく逸脱していく日本の現状への警鐘を。日本の人権教育の現状への問いかけもありました。
 「不法」ということばで蓋をし、知らないこと、知ろうとしないことの問題性。私たちの日常の考え方、行動の仕方を揺さぶります。これからについて話し合いたいと思います。        (田中文子)



保育の根っこ(30p)

連載第18回 悩んで、笑って、楽しかった4年間(後編)/チームはらっぱ

子どもの現場から(36p)

名古屋空襲慰霊の日制定に向けた若者の取り組み/礒部翔馬

政策を読む(40p)

差別を容認しない「理解増進」のために/飯野由里子

世界の子ども事情(44p)

連載第2回 コロナとクーデター下のミャンマーの子ども/ナンミャケーカイン

教育は、今(48p)

連載第2回 教室が多様性で包まれる時(2)
 ~普通学級でのインクルーシブ教育~/阪本珠生

日常のメディアを読み解く(54p)

連載第17回 子ども向けアニメと自己責任/西村寿子

政治の原則は“こどもをまもる”(58p)

連載第13回 子どもに対する性的虐待をいかに防止するのか/安冨 歩

書評(66p)

情報BOX~子ども・若者をめぐる動き(68p)

編集室(70p)

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