『はらっぱ』2024年9月号 特集:物を言い、つながることに希望を
特集:
◆「教育改革」は、いかに物言えぬ教師、物言えぬ子どもをつくってきたか~教育再生への道はあるのか~/小国喜弘
◆自分のからだから湧き上がる感覚を大事に、本や人と出会っていく/中川 健
◆ブランコのように対話する/大畠えり
◆写真展~「話す・学ぶ・動く」つながりをつくる~/村上麻衣
◆傷つけ、傷つくことは怖い それでも人とかかわっていく/陳 克弥
水俣病被害者が訴えているのに途中でマイクを切るの? 軍事基地縮小への沖縄県民の再三の声を完全無視? すべての子どもをまんなかにと言いながら朝鮮学校の子どもは教育無償化から除外するの? ・・社会の動きの中で、日常生活の中で、「どうして?」「もっと考えたい」と立ち止まることがたくさんあります。他の人はどう思っているのだろうと、自分の思いを伝え、他者の意見を聞き、語り合いたいと思うのです。
けれども、「わからない」「おかしい」と思うことはいろいろあっても、大勢に逆らうようで言葉に出さずに流してしまうことも多いのではないでしょうか。当たり障りのない話には饒舌になっても、議論になりそうな話、特に政治に関わるというような内容は避けてしまう傾向も感じるのです。子どもからもおとなからも、目の前のことで精一杯という声を聞くことも多く、私たちの日常にあきらめ感、無関心、閉塞感、敗北感が沈殿しているようです。
小国喜弘さんは、この30年の「教育改革」の方向が、物言わぬ人をつくってきているのではないかと歴史を振り返ってくださいました。中川健さん、大畠えりさん、村上麻衣さん、陳克弥さんが、物を言うこと、対話することについて日々の思いを書いてくださいました。それぞれ平たんではなく、悩み、傷ついたり、遠ざかったりすることがあるけれども、他者とつながって生きる意味を問いかけて下さいました。こうした私たちの営み一つひとつが「人権」をつくっていくのではないでしょうか。
「物言う」ことへのためらいを解き、つながることへ希望をひらいていきたいと思います。 ( 田中文子)
連載第2回 今、障がい児を含むたてわり保育をふりかえると/野島千恵子
子どもがつくる子どものまちミニ☆大阪
~それいいね!からはじまるプロジェクト~/二葉日葵
離婚後の親権に関する規律―改正民法の内容と課題/宍戸育世
連載第2回 ガザ・ホロコースト下の子どもたち/岡 真理
連載第1回 つながりの場に私たちがいること
~外国につながる子どもとともに~/岸 知明
連載第21回「 不適切」を構成するドラマ/西村寿子
第17回「南海トラフ地震」騒ぎの本質/安冨 歩