はらっぱ2019年9月号 特集:『子どもとメディア社会の今』
◆ メディア・リテラシーとは何か?どのように教育に組み込んでいくか/森本洋介
◆ 大学生とメディアを学ぶ/田島知之
◆ 高校生と学ぶメディア・リテラシー/藤井玲子
◆ 子育てにおけるジェンダーを考える
幼児のメディア環境とおとなの役割とは?/上村陽子
◆ 小学校から考えるメディア・リテラシー/久保 敬
子どもとメディア社会の今
特 集
「メディア」とは身近でありながら、非常に漠然としていてつかみどころがありません。自分の生活がメディアと一体化していることや、メディアによって時代の「空気」がつくられていることは、なんとなく感じていても、どこから考えていけばいいのか分からない。メディア・リテラシーという研究・教育の領域があります。これは、メディアからの情報が「ウソか真実か」を見抜くというものではありません。メディア・リテラシーを通して獲得される力とは、現代のメディア環境のなかでメディアに対して能動的に向き合い、市民としてクリティカルに(多面的に)思考するプロセスを獲得していくことを意味しています。残念ながら、学校では、メディアについて多面的に学び、コミュニケーションをつくりだすような教育は、依然としてなおざりにされています。日常のメディアに対して、多方面から「問い」を持って生きる学びは、子ども、おとなを問わず今を生きる私たちに必要な学びであり、民主的な社会をつくる基礎だと思います。
特集では、「メディア・リテラシーはどのような学びなのか」、「メディアについてクリティカルに考えるとは具体的にどう実践するのか」を柱にしました。総論を森本洋介さんに、大学生と学ぶ実践を田島知之さんに、高校での実践を藤井玲子さんから寄稿いただきました。「はらっぱ」が追求する目標を見据え、読者の皆様とともに、メディア・リテラシーの学びの場を実際につくっていくことができたら、と願っています。
(西村寿子)
子ども情報研究センタースタッフ養成講座より
性の多様性と多様な生き方/南 和行
連載第2回「みんな、いっしょに」を問いなおす/チームはらっぱ
子どもに直接届く「子ども支援」を地域に/西川奈央人
幼児教育無償化政策をめぐって/近藤亜矢子
限りなく不幸から遠い人々/吉田周平
連載第2回子どもの多様性を受けとめる学校園づくりって?/武田 緑
連載第1回参議院選挙報道を振り返る/西村寿子
書評
クリッピングジャーナル
編集室