はらっぱ2020年6月号 特集:『社会を変革する包括的性教育』
◆性と生殖に関する健康権利/福田和子
◆ウェルビーイングのための性教育の実践/金 夏琳
◆私が行っている男子性教育/内田洋介
◆産婦人科を身近なものに/辺見佳永
「7人の小さき探求者~変わりゆく世界の真ん中で」(ETV特集、4月18日放送)というドキュメンタリーは、“philosophy for children(子どもの哲学 略称p4c)”という学びをする気仙沼市の小学生を追った番組です。2月28日、新型コロナウイルス対策で突然の休校を告げられた6年生の子どもたちは、呆然としつつも「子どもの意見を聞かなくていいのか」とつぶやきます。この発言が生まれる背景には、当たり前を当たり前としない長い対話の学びがありました。
今号では、人権としての性教育をテーマにしています。性教育というと何かオープンに語れず、もっと早くに知りたかったことが山のようにあったことが編集会議で出されました。例えば、「自分も相手も尊重するとはどういうことか」、生理痛を緩和する低用量ピル、避妊について……国際的な性教育の水準はどうなっているのかと議論し、たどり着いたのが包括的性教育です。特集では、総論を福田和子さん、前述のp4cを実践に取り入れ学習者のエンパワメントを企図する金夏琳さん、医師として日本の現実の中で苦闘する内田洋介さんと辺見佳永さんに執筆いただきました。特集を通して包括的性教育は、性を肯定的に捉え、科学的で包括的な学びを通して、子どもをエンパワーし社会を変えていくことを意味する学びだと痛感しました。そのために前提となるのは、子どもの権利保障です。
包括的性教育を実現していくのは、子どもや市民のエンパワメントを実現する長い道のりとパラレルだと感じます。「人生を豊かにする性のあり方」、その学びを読者の皆さんと一緒に追求していきたいと思います。 (西村寿子)
沖縄基地問題に向き合い、行動し続けること/元山仁士郎
連載第5回 新型コロナ感染と保育所の役割/チームはらっぱ
「こどもまんなか」ですすめる子どもの居場所づくり/上村有里
SDGsとこれからの教育(前編)/岡島克樹
カナダ・新型コロナの脅威と「政権任せ」への危惧/山田公二
連載第1回 コロナ禍の中で、あらためて学校園の役割を考える/濱元伸彦
連載第4回 テレビニュースが構成する「現実」と私たち/西村寿子
書評(60p)
クリッピングジャーナル(62p)
編集室(64P)