はらっぱ2020年9月号 特集:『新型コロナウイルスと子どもの人権』
◆「子ども」をめぐる思想――「起こりうる最悪の事態」を考えながら/藤原辰史
◆「ステイホーム」できない子どもたち/仁藤夢乃
◆教育機会の確保よりも、信頼の回復を/山下耕平
◆もともとの困りごとをさらに不安にした、が、サバイブ/田渕 彩
◆座談会 コロナ禍で、誰も取り残さない政治を地域から
/岡井すみよ・袈裟丸朝子・武なおき・西川あり
新型コロナウイルスは、私たちに日常生活の変容を迫り、「ステイホーム」
「自粛警察」「犯人捜し」「コロナ倒産」「コロナ離婚」…と感染にとどまら
ず生きていくことの不安を拡げている。不安感、焦燥感を抱え、心すさみやす
い時代。人権侵害が生まれやすい時代をどのように乗り越えていけばよいのか?
子どもたちにとって、3月からの一斉休校は生活そのものの激変にもかかわ
らず、相談も満足な説明もないまま。無理な家庭学習を強いられ、学校再開後
も、遅れを取り戻すと猛暑の中の時間延長、テスト、テスト、夏休み返上、と、
子どもに有無を言わさぬ無理強いばかり。子どもたちは怒らないのか? 否、
子どもの意見を聴く、子どもといっしょに考えるという姿勢が社会にないのだ。
しかし、よく考えれば、おとなたちも同じだ。振り返ってみれば、存在しな
いかのように隠され、見えない、見ないようにしてきたこと、難しいからと考
えることをあきらめ、「ノー」と言わず、変えようと行動しなかったことの積
み重ねがコロナ禍によってあらわになった。
コロナ以前から子どもと真摯に向き合おうとしてきた方々に、新型コロナウ
イルスは何を問いかけたのか? 子どもたちはどのような状況にあったのか?
地域ではどのような取り組みが行われたのか? これからの課題は何か? 提
起していただいた。まずおとなの責任を厳しく問う意見が寄せられた。ぜひと
も、明日に向かって今を振り返る一助にしたい。 (田中文子)
連載第1回 すべての子どもを、すべての暴力から守る/安冨 歩
連載第6回 子どもといっしょに創る保育/チームはらっぱ
遊びが学び、暮らしが仕事 日月火水木金土に触れる毎日を/和久貴子
SDGsとこれからの教育(後編)/岡島克樹
カナダ・先住民文化剥奪の標的となった子どもたち/山田公二
連載第2回 インクルーシブ教育と人権教育のつながり/濱元伸彦
連載第5回 誰が「新型コロナウイルス感染対策」を語っているのか/西村寿子
書評(60p)
クリッピングジャーナル(62p)
編集室(64P)