はらっぱ2020年12月号 特集:『戦後75年、平和への課題』
◆戦後75年に迎えた軍事に傾斜する時代
――日本学術会議の“任命拒否”をめぐって――/島本慈子
◆内なる植民地主義の克服のために
――朝鮮学校の裁判闘争が明らかにしたもの――/藤永 壯
◆アートで平和をつくる/佐喜眞道夫
◆怖くてクソどうでもいい仕事/人を育て支える仕事/栗田隆子
◆子ども情報研究センター「共同子育て」と平和/田中文子
コロナ禍の酷暑の夏、75回目の原爆忌、終戦の日を迎えました。戦
争の記憶の風化が指摘される一方で、隠されてきた戦争の事実を掘り
起こし記録する取り組みも続けられています。「過去を振り返らない
者は未来への目も閉ざす」と言われるように、歴史を記録し、記憶す
る営みは大変重要だと考えます。
けれども、戦争は歴史上のことに留まらず、今も続いているという
痛み、苦しさを感じます。中国や北朝鮮を敵とみなす軍事力拡大が正
義とされ、事あるごとにアジアの国への偏見、蔑視が露わになります。
沖縄の声を蹂躙して進められる米軍基地建設。障害者は生きている価
値がないという言動が相次いだり、コロナの脅威を御旗にした国民総
我慢の号令に、自粛警察なるものが動いたり。菅首相は、コロナに勝
利し、東京オリンピック開催で政権維持を目論んでいるとか。このよ
うな人間をおとしめ、分断する現状に負けたくありません。
島本慈子さんは、すべての科学技術が内包する戦争協力の危うさに
ついて、藤永壯さんは、日本人に克服されずにある植民地主義につい
て、佐喜眞道夫さんは、米軍普天間基地に取られていた先祖代々の土
地を取り戻して建てた佐喜眞美術館について、栗田隆子さんは、日常
の仕事にひそむ理不尽さと怖さについて、問題提起してくださいまし
た。子ども情報研究センターの活動軸のひとつ「共同子育て」は、こ
のような問題に向き合おうとしてきたことを改めて思い起こしまし
た。ここからまた考えていきたいと思います。 (田中文子)
連載第7回 コロナ禍の保育所 子どもは密になって育つ/チームはらっぱ
仲間と支援者とつながる予防支援/安原由依
GIGAスクール構想と私たちの社会/森本洋介
カナダ・「先住民」が負わされた課題を自分の問題にする日/山田公二
連載第3回 クイーンズランド州の公立高校で見たインクルーシブ教育/濱元伸彦
連載第6回 女性が見えない新聞記事/西村寿子
連載第2回 子どもをめぐる行政の分断/安冨 歩
書評(60p)
クリッピングジャーナル(62p)
編集室(64P)