はらっぱ2021年3月号 特集:『東日本大震災10年と子ども』
◆10年目の校庭で/佐藤敏郎
◆放射能から避難する権利――原発避難者の10年――/森松明希子
◆子どもが企画デザインした児童館 らいつ/吉川恭平
◆「自分たちのふつうの居場所を地域でつくる」を支える/谷川由起子
2011.3.11東日本大震災。地震、津波、原発事故と、多くの命が奪われ、
当たり前の日常があっという間に奪われてしまいました。「復興!」
の呼び声のもとに前へ前へと進むことが求められ、東京オリンピック
の開催により「次へ!」の機運を一挙に高めようとの政権の思惑が見
えます。悲しみ、辛さ、困難とたたかいながら懸命に生きる「いま」
が続いているのに。おとなが未曽有の混乱を抱えた中で、子どもたち
はどのような状況に置かれ、何を感じていたのでしょうか。そこで時
間が止まった子どもたちがいました。0歳が10歳に、10歳は20歳にな
る時間が経過しました。
佐藤敏郎さん、森松明希子さんは、「子どもの命を守ろうとしない」
社会の現実を浮き彫りにしてくださり、あなたはどうですかと問われ
ていると感じました。当時ご自身中学校の教師であり、大川小学校で
娘さんが亡くなった佐藤さんは「平時から学校は子どもに向いている
のか?」と。森松さんは、「避難しても、地元に帰っても、避難をな
ぜ隠さなければならないのか?」と。
吉川恭平さん、谷川由起子さんからは、子ども支援の取り組み報告
です。いずれも、支えるという一方的な関係はなく、子どもが主人公
であること、おとな自身も支えられ、問われるのだということが強く
訴えられています。語られる子どもたちの前向きさ、明るさに、この
ような居場所があるから、自分が抱える悲しさや辛さとも向き合って
いるのだろうなと感じました。 (田中文子)
連載第8回 コロナ禍の1年を振り返り、また前へ/チームはらっぱ
子どもの居場所を支えるベースにあるもの/西川あり
日本財団が「子ども基本法」(仮称)の制定を提言/平野裕二
子ども支援「先進国」カナダの課題と先駆の秘訣/山田公二
連載第4回 子どもの「共に生きることを学ぶ権利」の構想/濱元伸彦
連載第6回 女性が見えない新聞記事/西村寿子
連載第3回 この時代に子どもを育てるというのはどういうことか
~アーミッシュに学ぶ~/安冨 歩
書評(60p)
クリッピングジャーナル(62p)
編集室(64P)