はらっぱ2021年6月号 特集:『福島原発事故から何を学ぶか?』
◆原発事故から10年 福島の今/武藤類子
◆子どもの内部被ばくを減らす食生活/安田節子
◆幼稚園留学/林 リエ
◆原発労働 理不尽の根っこをみつめる/寺尾紗穂
◆原発事故をどう伝えるか~文部科学省放射線副読本の課題~/後藤 忍
東京電力福島第一原子力発電所の大事故から10年。
制御不能となって破壊される原子炉建屋、大量に放出された放射性
物質が広範に空気、水、土を汚染していくのをくい止めることはでき
ない、住み慣れた土地、家、仕事を奪われる人たち、通常人の放射線
年間被ばく量1ミリシーベルトがいきなり20倍に引き上げられ、……
知りたいことがいろいろあるのに専門家の意見はさまざまに異なる、
つまり、放射線の人体・自然への影響について解明されていないこと
が多い、という原発の怖さが私たちの前につきつけられました。
けれども、原発推進の国策のなかで、原発についての疑問や不安に
ついて率直に話すことがはばかられるような雰囲気もあり、身近に考
え、話し合うことが棚上げされてしまう。これだけの甚大な被害が出
ているにもかかわらず、私たちは被害の実態を知ること、その原因を
探ること、どのように考え行動すればよいのかを考えること、を奪わ
れるがままに甘んじてきたのではないでしょうか。
そして、10年。被ばくの危険にさらされながらの廃炉作業の見通し
は立たず、被災者の救済、子どもの健康被害、放射能汚染水の処理、
使用済み核燃料の処理等々、何も解決しないまま「原子力緊急事態宣
言」が続いています。
本特集から、自ら知り、あきらめずに考え行動する一歩を学びたい
と思います。子どもたちに問題を先送りすることなく。 (田中文子)
連載第1回 子どもから現代史を考える構え/藤原辰史
連載第9回 一緒にいるって楽しいね!/チームはらっぱ
私たちは未来のおとなだ/齋藤愛彩
「校則」いま、何が問題?/須永祐慈
タイ・移住労働者の子どもたちと教育/川村暁雄
連載第1回「 教育の原理」と「学校の原理」/吉永省三
連載第8回 3・11「原発震災」の記事を読む/西村寿子
連載第4回 デューイ『学校と社会』に見る問題の本質/安冨 歩
書評(60p)
情報BOX~子ども・若者をめぐる動き(62p)
編集室(64P)