『はらっぱ』2022年6月号 特集:「子育て不安」の根っこを考える

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  • 2022.06.20 はらっぱ #はらっぱ #PICKUP

    『はらっぱ』2022年6月号 特集:「子育て不安」の根っこを考える

『はらっぱ』2022年6月号ができました!

◆労働の意味について考える ~「資本の経済」「国家の経済」、そして「生活の経済」~/田畑 稔
◆“ケア”と“仕事”が両立できる「働き方改革」を/禿あや美
◆ワーカーズコレクティブの挑戦/白江祐子
◆「能力主義」を乗り越える視座 ~「子育て不安」という言説から考える~/吉永省三



 

現代社会は、今・そして将来に向けてのさまざまな「不安」に追い
かけられているようだ。「子育て不安」を解消し、安心して子育てが
できるようにと子育て支援策が講じられてきたが、子育てのしにくさ
は変わらず、追いつめられ感は逆に増していると感じられる。求めら
れているのは「不安」への対症療法ではなく、その根っこを問い直す
ことではないか。
 お金を稼がなければ生活していけない…子どもを育てるには一層お
金が必要だ…それなりに稼ぐことができる能力を子どもにつけなけれ
ばならない…競争に負けないためには健康も大事だと、障害や病気へ
の心配もふくらんでいく…。
 そもそも親自身の労働が、正規雇用の長時間労働、増加する無権利
な非正規雇用、「働き方改革」などと言われながら労働環境はますま
すきつくなり、お金を稼ぐことで必死な現状に追い込まれている。
 今号は、子どもを育てる基盤である「働くこと・労働」について考
えた。この社会の競争に生き残ろうともがくのではなく、競争を見直
し、労働とは? 能力とは? 子育てとは? を問い直すオルタナ
ティブな(また異なる・もうひとつ別の)見方を提起していただいた。
耳慣れない言葉が出てきて、少し難しく感じられるかもしれないが、
じっくり読んで話し合いたい。田畑稔さん「生活の経済」、禿あや美
さん「“ケア”の大切さ」、白江祐子さん「珈琲工房まめ福の働き方」、
吉永省三さん「“能力主義”を乗り越える」と、通底して響いているのは、
「生活の視点」と「共生の視点」ではないか。     (田中文子)



「子ども」から読む現代史(2p)

連載第5回 映画『教育と愛国』を観て/藤原辰史

保育の根っこ(34p)

連載第13回 食べること(前編)/チームはらっぱ

子どもの現場から(38p)

『世界の子ども権利かるた』ができるまで/栗原麻衣

政策を読む(42p)

無戸籍から考える嫡出推定問題/井戸まさえ

世界の子ども事情(46p)

連載第1回 学校と子どもの人権/安ウンギョン

教育は今(50p)

連載第1回 教育が未来の社会をつくる/久保 敬

日常のメディアを読み解く(54p)

連載第12回 小学生の映像制作/西村寿子

政治の原則は“こどもをまもる”(58p)

連載第8回 明石市長 泉 房穂さんとの対話から(1)/安冨 歩


書評(66p)

情報BOX~子ども・若者をめぐる動き(68p)

編集室(70P)

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