『はらっぱ』2022年12月号 特集:「憲法」とは何か?
◆そもそも「憲法」とは何か?~その歴史や今日的意味~/伊藤真
◆再確認すべき憲法24条の価値と相反する動き
~家父長的ジェンダー規範からの克服を求めて~/清末愛砂
◆主権者意識はどのように育つか?/肥下彰男
◆憲法と私~憲法は盾、使いこなしてこそ人権は守られる~/森松明希子
「改憲!」という言葉が勢い良さげに踊り、「改憲」是か非かと迫られる。国会は、衆参両議院とも改憲動議を出せる3分の2を越える議席数を改憲派が占めています。国会で憲法修正案が議決されれば、国民投票となり、有効投票数の過半数の賛成で、「憲法」は書き換えられることになります。国会議決ではなく国民投票という仕組みになっているのは、それだけ「憲法」が国民にとって重要な意味をもつからでしょう。私たちはその重要性を自覚しているでしょうか。
選挙戦においても活発な憲法論議が交わされたわけではなく、「憲法」を改めなければならないとの切実な議論が市民から巻き起こっているわけでもありません。7月10日の参議院選挙投票日を目前にした8日、応援演説中に改憲の旗手安倍晋三氏銃撃事件が起こりましたが、相変わらず選挙への関心は低く、投票率52.05%。
むしろ「憲法」への関心の低さこそ問題ではないでしょうか。そもそも「憲法」とは何か? 伊藤真さんは、「憲法」とは国家の権力行使に歯止めをかけ国民の人権を守るもので、国家が「憲法」順守の義務を課せられている、と。清末愛砂さんは、事あるごとに出てくる「家族の絆」には暴力・差別が隠されており、そこに歯止めをかけているのが憲法24条だが、無自覚ではないか、と。森松明希子さんは、「憲法」に定められている国民の命を守る権利も国家は守らず、「憲法」を盾に声をあげ続ける、と。「憲法」を使う人がいないと、「憲法」はただの絵に描いた餅になってしまいます。肥下彰男さんは、「憲法」を使いこなす主権者意識はどのように育つのか、高校生たちが自分の具体的な生活を意識化する実践を。4人の方の問題提起を受けて、「憲法」と私を話し合いたい。( 田中文子)
連載第7回 加害者である私/藤原辰史
連載第15回 子どもと生き物/チームはらっぱ
「学生が伝える原爆の図展」開催/片山萌花
文部科学省4・27通知に揺れる「ともに学び ともに育つ」/濱元伸彦
連載第3回 子どもには遊ぶ権利があります。/安ウンギョン
連載第3回 「ふつう」って何だろう/久保 敬
連載第14回 「国葬」の日はどう伝えられたか/西村寿子
連載第10回 明石市長 泉 房穂さんとの対話から(3-①)/安冨 歩
書評(62p)
情報BOX~子ども・若者をめぐる動き(64p)
編集室(66P)